今、私は空にかざした一枚の葉っぱを通して、光の速度を感じようとしている。
葉脈の隙間から、細く鋭く漏れてくる一筋の光。
それが、私の瞳に届くまでの時間を計算してみる。
光の速度は、1秒間に地球をおよそ7周半するほどの速さ。
葉っぱの隙間から私の目までは、せいぜい50センチ。
その距離なら、光はおよそ 10億分の1秒 で到達する。
──ほんの瞬きよりも短い時間。
でも、その光は決して「生まれたて」ではない。
太陽から地球まで、約1億5千万キロもの距離を、8分20秒 かけて旅してきた光なのだ。
「光の粒子さん。太陽から、よくぞここまで辿り着きましたね」
そんなふうに心の中でつぶやく。
その長い旅路で、あなたは宇宙の暗黒や、無数の惑星の軌跡を横目に見ながら進んできたのだろうか。
それとも、ただ一直線に、迷うことなくここを目指してきたのだろうか。
ふと想像が広がる。
もし私が光の速度で飛ぶ宇宙船に乗れたら、窓の外にはどんな景色が広がっているのだろう。
星々が線のように流れるのか、それとも時が止まったように静かに瞬くのか。
そんな空想をしている間にも、数億、数十億という光の粒が、葉っぱの隙間をすり抜け、私の瞳に飛び込んでくる。
それらはすべて、遠く太陽で生まれた光。
同じように見えても、一つひとつが違う旅路を経て、今この瞬間、私と出会っている。
空を見上げるたびに思う。
私たちは、無限の宇宙とわずかな時間を共有しているのだ、と。
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