Smile

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精神的クッション

【上の台に乗っている親方】さあ、お前たち!俺を信じて、回り続けるんだ!お前たちの命は俺が預かっている!たとえロープが切れても、俺がジャンプして、地上でクッションになってやる!だから、思いっきり回れ!【回っている人1】ねえ、あの親方、信じられ...
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群れから、ほんの少し

おーい、みんな、どこにいっちゃったんだよ…。僕はただ、水中で魚を探してた。その時までは、周りに友達がいっぱいいた。でも、異変が起きたのは、その時だ。魚の群れの中に、僕の好きな「イカナゴ」を見つけたんだ。細長くて、えらのあたりが少し青っぽく光...
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あれっ、ピンボケ?

「……あれっ、ピンボケじゃない?」甲は首をかしげて、赤い花の写真を見つめた。どう見ても、輪郭は揺れている。花びらも、茎も、くっきりとは写っていない。「違うって」乙は、少し得意げに言う。「動きを出すために、わざとああいう風に撮ってるんだよ。今...
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おい、リーダー。どこ行った?

おーい、みんな、大丈夫か?ついてきているか?絶対にはぐれるなよ。ここではぐれたら、おそらく命はないものと思え!……先頭のリーダー、ずいぶん気合が入っているな。「命はない」って、それ、もしかしてパワハラじゃないか?いやいや、あれは俺たちを鼓舞...
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今年も初詣、行っちゃう?

今年も初詣、行っちゃう?……と、軽い気持ちで言ったはいいものの、目の前に現れたのは、なかなかに本気の階段だった。結構、段数あるなあ。数えていないけれど、「まあまあ」では済まされないやつだ。しかも、上に見えるのは鳥居だけ。神社の屋根も、本殿ら...
Life

次はどこへ行こうかな…

さて、次はどこへ行こうかな……って。選択肢、多すぎるだろう。木製の案内板は、親切な顔をしているくせに、こちらの決断力を静かに試してくる。ミズリーナ湖。名前だけで、もう十分に美しい。澄んだ水面に、山の影が落ちる光景を想像するだけで、少し息を吸...
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今日こそは!

さあ、魚よ。かかってこい!俺のエサは新鮮だぞ。きっと魚界SNSでも「今夜のおすすめグルメ」として話題になってるはずだ。頬っぺたが落ちるくらいおいしいぞー!…あれ? 魚って頬っぺたあったっけ?まあ、そんなことはどうでもいい。とにかく、今すぐ食...
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呼んだ?

「……僕のこと、呼んだ?」ぴょこっ、と顔を出したのは、森のど真ん中。木と木の間にすっぽりはまり込むように顔を出してみる。僕の名前はコモチ。「……あれっ? 誰もいないなあ……」周囲を見回すけど、ただただ静か。葉っぱがこすれる音と、自分の鼓動だ...
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至福の時間

仕事終わりにリビングで過ごす数時間が私の至福の時間だ。コンポでビルエバンスのピアノをかけながら、ソファに沈み込む。お気に入りのカップに少し濃いめのコーヒーを淹れて、足なんてこんな感じで思いっきり伸ばしちゃう。お店でこんなことをすると、すぐに...
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涙の理由

その時、男は女の涙の理由を知りたいとは思わなかった。その理由がなんであれ、自分のことで頭がいっぱいで煩わしいことには関わりたくなかったのだ。女のありふれた涙は再び頬を伝って流れた。ついさっき、女が自分のハンカチを使って涙をぬぐったばかりなの...