ねえ、そこのあなた。
あなたの人生は、いい人生ですか？
これからいいことがありそうですか？
私はいつの間にか、こんな姿になってしまいました。
こんな私でも、昔は美男子でならしたものです。
社交界ではいつも輪の中心にいて、すべての情報は私を経由して伝わったものです。
だから、この街のうわさ話で私の知らないものはなかった。
この世の中、情報がすべてですからねえ。
だから、私のことをやっかむ輩も後を絶たなかった。
そんな輩を扱うのはたいへんだったろうって？
ノン！ノン！
私はこの街の裏社会にも顔が利いたから、そんな輩はつぼみのうちに
刈り取ることができました。
私のポリシーは「リスクは小さいうちに刈り取ってしまえ。」というもの。
それが、うまく生きるコツです。
大きなリスクは、時に危険を伴ってしまうから。。
人生の先輩として、私があなたにアドバイスできるのはそれぐらいです。
まあ、全体としていい人生を送ることができました。
それもこれも、そのポリシーを守り続けることができたから。。
ご参考になさってください。
あなたにとって死は恐ろしいものですか？
今、これをよんでいるあなたが死を恐れることは当然のことです。
だって、あなた自身もあなたの周りの人たちも、誰も死を経験したことがないから。
未知なものは誰にとっても恐ろしいものです。
だけど、あえて言います。
死を恐れないでください。
死んでしまった私から言わせると、「死は無」だということです。
楽しいことも苦しいことも何にもない。
また、そんなことを考える必要すらない。
まあ、どこをどう転んだって避けられないのが、死です。
向こう側の世界で、あなたをお待ちしております。
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