オレは今、最高の気分だ。
こうしてなんとか2020年を乗り切ることができた。
今年、例の疫病はどうなるかって?
そんなことは「神のみぞ、知る」だ。
今はあのしんどかった一年を乗り切ったことを、まずは、自分に誉めてやろう。
そう言えば、昨年、ニューヨークにも行ったっけ。
最高の街だった。
世界はこの街を中心にして回っているだなと感じさせる街だった。
取引先の担当の方とも仲良くなって、夜の街に繰り出したもんだ。
その方も、よくよく聞くとニュージャージー州から来たといっていた。
だから、「次に僕らがこの町で一緒に飲めるのは、何年後になりますかね。。」なんて 自虐的に語り合っていたものだ。
あのバーにもう一度、行ってみたいな。。
あのバーのカウンターなら、今でも目の前に思い浮かべることができる。。
カウンターの向こうには常連客のボトルが所狭しと並べられていて、
背の高いバーテンダーが慣れた手つきでカクテルをシェイクしていた。
オレの街、ペンシルベニア州のハリスバーグは、あんなにかっこいい街じゃない。
勘違いしないでほしい。
これは負け惜しみではない。
負け惜しみじゃないが、この街では肩ひじを張って生きる必要はない。
自分の好きなことに集中して、人生を楽しむことができるのだ。
周りに惑わされることもない。
孤独感にさいなまれることはあるけど、孤独はオレの古い友達だ。
小さいころから、一緒に育ってきた。
だから、やつとの付き合いの方法はわかっている。
そんなにかっこいいことを言っても、お前はしょせんハリスバーグの
田舎者だ。ハリスバーグに埋もれたまま、人生を終えるだろう。
誰にも注目されず、誰の人生にも影響を与えず。
第一、お前にはニューヨークに出てくる勇気もない。
そうかもしれない。
だが、残念ながら、その文脈はオレにはあてはまらない。
なぜなら、オレは再度、ニューヨークに乗り込んでやるからだ。
予定があるのかって?
いや、予定はまだない。
だが、オレだってまだ40代だ。
ニューヨークでもう一旗上げるぐらいの時間は残っている。
ポルシェに乗って、高級レストランで食事をしてやる。
肉の焼き方はやっぱりレアに限る。
ウェイターが聞く前にオレは答えてやるさ。
見ていろよ!ニューヨーク!!
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