この渋滞のなかで

Friend

渋滞につかまってしまった。
この渋滞の中、オレは家路を急いでいる。
このままだったら、どう考えても時間に間に合わないだろう。
さっき予約していた店に携帯で連絡を入れた。
15分くらい遅れそうだというと「次のお客様がお待ちに。。」という
ことでキャンセルされてしまった。
まあ、仕方ないだろう。
向こうも商売だ。
この予約をキャンセルすれば、オレたちだけの損害で済むが、
予約がずれれば、次のお客にまで影響が及ぶ。
損害もそれだけ大きくなってしまう。
だから、オレたちの予約をキャンセルする。
当然だ。

問題は圭子にどう伝えればいいかだ。
今年は結婚10年目で節目の年だ。
今日はその10年目の結婚記念日で、オレは今まで客先からのクレーム電話に
つかまっていたというわけだ。
この最悪の組合せ、わらえるだろう。
圭子、怒るだろうなあ。
「今日、なんの日だか、わかってるの!」
それから、また、オレの言い訳が始まる。
今の状況をそのまま伝えるしかないだろう。
今回はちゃんと説明できる言い訳でよかった。
時には、正々堂々と説明できない日もあるから。。

今日、会ったときにきいてみたいことがある。
「この10年、お前のことを幸せにできていたか?」
ショックな返事が返ってくる可能性が高い。
だが、それを素直な気持ちで受け止めてやるのだ。
うれしい返事が返ってきたら。。
それはそれでいい。

幸か不幸か、この渋滞の中でいろいろなことを考えている。

50mほど車が進んで、また、止まった。。
ブレーキを踏む足が疲れてきた。

圭子、もうすぐだ。待ってろよ。

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