月明かりの航海

Life

僕は、この小さなヨットで一人旅を続けている。
波を切るたび、船体が低く唸り声を上げるけれど、それはむしろ頼もしさの証だ。
「こんな小さな船で、どこまで行けるんだ?」って?
ふふ、案外、ずっと遠くまで行けるものさ。

この旅も、もう5日目。
嵐の夜も、静かな朝も、このヨットはしっかりと僕を支えてくれた。
ありがとう、ヨット君。君は僕の相棒であり、唯一の旅仲間だ。

きっと、次の質問も予想できるよ。
「君はどこへ向かっているんだ?」って。
でも、それは答えられない。いや、答えないと決めたんだ。
行先は風と波に任せる。
地図もコンパスも、今日はただの飾りだ。
目の前の水平線が、その日の行き先を教えてくれる。

今夜の海は、月明かりに照らされて穏やかだ。
大きな黄色い月が、まるで背中を押してくれるように光っている。
帆に月光が反射して、海面には銀色の道が続いていく。
その道の先には、何が待っているのだろう。
まだ見ぬ景色、まだ会ったことのない誰か、
あるいは…ずっと探していた自分自身かもしれない。

こんな夜には、心から思う。
旅に出て、本当に良かった、と。
風の音も、波の揺れも、月の光も──
すべてが僕を包み込み、「進め」と囁いている。

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