群れから、ほんの少し

Smile

おーい、みんな、どこにいっちゃったんだよ…。

僕はただ、水中で魚を探してた。
その時までは、周りに友達がいっぱいいた。

でも、異変が起きたのは、その時だ。

魚の群れの中に、僕の好きな「イカナゴ」を見つけたんだ。
細長くて、えらのあたりが少し青っぽく光るから、すぐわかるんだよ。

それで、僕は夢中で「イカナゴ」を追っていった。

あいつは速い。
群れからするっと抜け出して、
まるで「捕まえてみろよ」とでも言うみたいに泳いでいく。

僕は負けず嫌いなんだ。
「今日こそ絶対にくわえて帰る」と思った。

でも、夢中ってやつは怖いね。
気が付くと周りには誰もいない。
友達の黒い背中も、
あのやかましい鳴き声も、
波間に揺れているはずの仲間の影もない。

それで、水中から出て、不安になった僕がこの顔だというわけ。

……。

ところで、ここどこ?

さっきまでの岩場、見当たらないんだけど。

イカナゴ?
もちろん逃げたよ。
あいつだけは、ちゃんと群れに戻ったみたいだ。

僕?
僕はというと、

欲張って一匹を追いかけた結果、
群れからはぐれた。

つまり、今日の教訓はこうだ。

「イカナゴは追うな。群れを追え。」

……いや、違うな。

「イカナゴはほどほどに。」

とりあえず、誰か、迎えにきてくれない?

コメント

タイトルとURLをコピーしました